早咲きの桜が咲いています(2/20更新)

ただ今、カンヒザクラ‘琉球寒緋桜’をはじめとする早咲きの桜が見ごろです。

カンヒザクラ‘琉球寒緋桜’ Prunus campanulata Maxim. ‘Ryukyu-hizakura’
さくら・つつじ園にて2/20撮影

さくら・つつじ園に植栽があり、2/20現在、満開の株と開花最盛期を過ぎたくらいの株が混在しています。本種はカンヒザクラの園芸品種で、桃紅色の花を下向きに咲かせます。沖縄県では後述するカンヒザクラとともに広く栽培されており、沖縄に住む人たちにとって桜の花と言えば、これらの種を指します。

というのも、有名なソメイヨシノや山野で見られるヤマザクラなど日本本土で見られる桜の多くは、冬の寒さが開花のカギとなっていて、十分な低温に一定期間さらされることで休眠から目覚め、春の訪れとともに暖かさを感知し花を咲かせます。多くの日本本土の桜にとって沖縄県の温暖な気候では開花のカギである冬の低温が足らず、うまく花が咲かすことができません。この点、カンヒザクラ‘琉球寒緋桜’やカンヒザクラは寒さをあまり要求せず、沖縄県でもお花見を楽しめるというわけ。

下向きの花を見上げて撮影すると、紅色の強い花色が青空によく映えます。ちなみに、当園では本種をカンヒザクラの園芸品種としてカンヒザクラと区別していますが、カンヒザクラに変異が多いことから区別する必要があるか疑問視する声もあります。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

サクラ属の園芸品種‘河津桜’ Prunus ‘Kawazu-zakura’
さくら・つつじ園にて2/20撮影、5分咲き程度。
花は大輪で平開し、うつむき気味に咲く。

テレビなどで早咲きの桜としてよく取り上げられるため、早咲きの桜といえば本種を想像する方も多いのではないでしょうか。さくら・つつじ園に植栽があり、2/20現在、5分咲き程度です。日に日に花数が増え、例年だと1ヶ月弱ほど見ごろが続きます。本種は1955(昭和30)年、静岡県河津町で野生状態の原木が発見されました。オオシマザクラとカンヒザクラの雑種起源と考えられており、花は直径4センチ前後と大輪(オオシマザクラ由来の性質)で、早咲きと桃色の花色(カンヒザクラ由来の性質)が人々に好まれて、接ぎ木で殖やされたものが全国に普及しています。

カンヒザクラ Prunus campanulata Maxim.
連絡道にて2/20撮影。
花は平開せず、釣り鐘状。目立たないのか花に気づかず通り過ぎる来園者も多い。

本種はさくら・つつじ園と連絡道の2か所に植栽がありますが、2/20現在、連絡道のほうが咲き進んでいるでしょうか。台湾、中国南部~東南アジア原産とされており、石垣島で見られるものは野生化したものと考えられています。和名は早春のまだまだ寒い時期から緋色の花を咲かせることに由来します。学名(種小名)のcampanulataは「小さな鐘」を意味し、文字通り、釣り鐘状の花を下向きに咲かせます。花は花弁が一枚ずつ散るのではなく、萼筒と花弁、雄しべが一緒になって落花します。多くの早咲きの桜の交配親となっており、桜の園芸品種の作出に重要な種でもあります。

サクラ属の園芸品種‘椿寒桜’も咲きはじめ。さくら・つつじ園にて2/20撮影

ほかにはサクラ属の園芸品種‘椿寒桜’も咲きはじめで、ようやく屋外の園地もにぎわってきました。お昼ごろは暖かい日も多くなってきましたので、ただ今開催中のラン展(3/1まで)とともに散策をお楽しみください。

広報・ガイド班長 西村 佳明