シロバナマンジュシャゲ 花が咲いています(9/26更新)
シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナ科) Lycoris x albiflora Koidz.

土佐の植物生態園や連絡道、南園の各所でご覧いただけます。和名をそのまま額面通り受け取ると、マンジュシャゲはヒガンバナの別名なのでヒガンバナの白花品種と思われるかもしれません。よく園内でも勘違いをされたお客様の声を耳にしますが、ヒガンバナの白花品種ではなく、
ヒガンバナとその近縁の
ショウキズイセンとの雑種であると推定されています。花の姿はヒガンバナによく似ていますが、ヒガンバナほどは花が反り返りません。また、白花といっても純白ではなく、園内のものはクリーム色を帯びることが多いです。
園内ではヒガンバナも開花最盛期で、もう間もなくショウキズイセンも咲きそうです。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
アオギリ(アオイ科) Firmiana simplex (L.) W.F.Wight



土佐の植物生態園の本館受付窓口そばに植栽されています。本州(伊豆半島・紀伊半島)・愛媛県・高知県・九州(大隅半島)・琉球、台湾、中国大陸に分布し、海岸林や2次林などに生える落葉高木です。和名は緑色をした樹皮と、キリのように大きな葉を持つことに由来します。
樹皮の繊維は強靭で水に強く、縄や漁具に使用されたり、戦中の物資不足には種子を炒ってコーヒーの代用としたこともあるようです。桐に鳳凰という吉兆画があり、花札や家紋にも用いられますが、この桐は実はキリ科のキリではなく、本種とされます。

分果は舟形で、縁にいくつかの球状の種子をつける。
9/26現在、見上げていただくと果実(分果)が観察できます。分果は舟状で、縁にいくつかの球状の種子をつけています。強風などある程度強い衝撃がないと外れないようで、前の年の分果が枝に残っていることも。いったん外れるとくるくると回転しながらゆっくりと落下するので、風に乗って少しでも遠いところへ種子を飛ばします(風散布)。株元に分果を落ちていることもあるので、落ちていれば植栽を踏まないよう手に取って、上に投げてみてください。くるくる回転して落下する様子をご覧いただけます(濡れていたり種子が無くなっているとうまく回転しません)。
オケラ(キク科) Atractylodes ovata (Thunb.) DC.

頭花を包むように、魚の骨のような総苞がある。
こんこん山広場ではオケラが見ごろとなっています。本種は本州~九州、朝鮮半島、中国に分布し、低山や山地の乾いた草原などに生える多年草で、高知県では県中部に少数ながら自生が見られます。
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信州の民謡では「山でうまいはオケラにトトキ、里でうまいはウリナスビ。嫁に食わすも惜しゅうござる」と歌われ、若い芽や葉を山菜として食されたほか、乾燥させた根茎は白朮(びゃくじゅつ)とよび、四君子湯(しくんしとう)や薏苡仁湯(よくいにんとう)などの漢方薬に配合されるほか、精油成分に由来するその香気は邪気を払うと信じられ、お正月に飲むお屠蘇(とそ)にも配合されます。
本種はおしべとめしべが一つの小花に同居する両性花をもつ両性株と、めしべのみからなる雌花をもつ雌株があります。両性花は集葯おしべと呼ばれる葯どうしが合着し、筒状になったおしべの中を突き抜けるようにめしべが伸長し、花粉を押し出します。自身の花粉では結実せず(自家不和合性)、アブやハエなどの訪花昆虫が他の株の花粉を届けて受粉を促します。ぜひ見比べてみてください。
広報・ガイド班長 西村 佳明
見ごろの植物
2025年9月 4週目
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見ごろマップ
2025年9月 4週目

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