ミョウガの花が咲きました(10/10更新)

ミョウガ(ショウガ科) Zingiber mioga (Thunb.) Roscoe

ミョウガの花(10/9撮影)
ミョウガの食用部位は花序

回廊からふむふむ広場・土佐の畑エリアに向かってウッドデッキを降りていくと左側に植栽があります。原産は中国南部とされ、ここ高知県は野菜としてのミョウガの生産量が5,080トン、全国に占める高知県産のシェアは93.4%と、生産量、シェアともに全国一位(令和6年度高知県農業振興部 高知県農業の動向より)の産地です。普段皆さんが薬味に利用するのは、多数の苞葉が重なって肥厚した花序(花の集まり)で、花が咲く前に収穫されます。収穫せずにそのままにしておくと苞葉腋から淡黄色の美しい花を咲かせます。花は一日花なので傷みやすく、観察は午前中をおすすめいたします。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

オミナエシ(スイカズラ科)
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
スイフヨウ(アオイ科)
シオン(キク科)
ダンギク(シソ科)
オオヤマショウガ(ショウガ科)
マルバチシャノキ(ムラサキ科)
アケビ Akebia quinata (Houtt.) Decne. とその仲間

回廊ではアケビの果実が割れました。本州・四国・九州・朝鮮半島、中国東部に分布する落葉つる性木本で、周囲の木々に絡まりながら生長します。アケビという和名は、開け実:果実が熟すと縦に割れて果肉があらわになることに由来するという説があります。小さいころ本種の果実を食べた経験のある人も多いのではないでしょうか。

本種に近縁な種(アケビ科)は他にも、回廊と展示館の中庭にゴヨウアケビが、南園の植物研究交流センターから温室へ向かう途中の脇にムベが、ラベルはないけれど結網山などに自生のミツバアケビが見られます。このうちゴヨウアケビはアケビとミツバアケビの雑種とされており、両種の中間的な特徴を示します。これらの違いを下表にまとめてみました。

果実
アケビ
ガクは白色から淡紫色

小葉は5枚、葉縁は全縁。先端は少しくぼむ。

果皮は茶色。果実は熟すと割れる。
ゴヨウアケビガクは赤紫色小葉は5枚、葉縁は波打つか粗い波状鋸歯がある。先端は少しくぼむ。果皮は茶色。果実は熟すと割れる。
ミツバアケビガクは黒紫色小葉は3枚、葉縁に波状鋸歯がある。先端は少しくぼむ。果皮は紫色。果実は熟すと割れる。
ムベ
ガクは線形で6枚。内側は淡紅紫色を帯びる。
小葉は5~7枚、葉縁は全縁。常緑で革質。先端はとがる。果皮は紫色を帯びる。果実は熟しても割れない。
ジョウロウホトトギスキイレツチトリモチ の現在の状況

当園に咲く秋の花はたくさんありますが、その中でも人気者といえばジョウロウホトトギスとキイレツチトリモチ。ジョウロウホトトギスは回廊を、キイレツチトリモチは本館の受付窓口そばのトベラの根元をそれぞれ探してみてください。

ジョウロウホトトギスは一部で咲きはじめ、見ごろは来週以降でしょうか。キイレツチトリモチは露出した塊茎から飛び出した、キノコのような見た目の花序が観察できます。まだまだ小さくて、開花にはもうしばらくかかりそうですが、ご来園の際は地表に目を凝らして淡いクリーム色の花序を探してみてください。それぞれ見ごろになりましたら紹介しますね。

広報・ガイド班長 西村 佳明

見ごろの植物

2025年10月 2週目

写真をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。

オオヤマショウガ(ショウガ科)
ヨツバハギ(マメ科)
ミヤマヒキオコシ(シソ科)
フジバカマ(キク科)
ナリヤラン(ラン科)
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
ソナレノギク(キク科)
スイフヨウ(アオイ科)
ショウキズイセン(ヒガンバナ科)
シモバシラ(シソ科)
サワギキョウ(キキョウ科)
コヒガンザクラ‘十月桜’(バラ科)
カワラナデシコ(ナデシコ科)
カリガネソウ(シソ科)
オジギソウ(マメ科)
アリストロキア・トリカウダタ(ウマノスズクサ科)
見ごろマップ

2025年10月 2週目

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