エッチュウミセバヤが咲いています(10/31更新)
エッチュウミセバヤ(ベンケイソウ科) Hylotelephium sieboldii (Sweet ex Hook.) H.Ohba var. ettyuense (Tomida) H.Ohba

10/29 南園にて撮影
今回は西村に代わりまして宮田がブログをお届けいたします。
園地の石垣に目をやると可愛い花を見ることができます。エッチュウミセバヤです。展示館を階段広場から出て芝生広場のわきにある石段や、連絡道の土佐寒蘭センター付近の石垣、温室出口近くにある50周年記念庭園へ続くスロープで見られます。北陸地方に分布しており、和名の「エッチュウ」は現在の富山県にあたる越中を指し、「ミセバヤ」は古語で見せたいという意味で、まさしく誰かに見せたくなるほどの美しさです。
現在開催中の【秋のガーデンツアー】のチラシのデザインにも使われています。期間中の土日祝日、各日10:30と13:30からの2回行い園地管理者や研究員などの職員がガイドを務め普段聞くことができない話をお楽しみいただけます。残すところあと5日間 (計10回) となりましたが、まだまだ多様な内容のツアーをご用意しております。
参加方法は、当日9:00より本館インフォメーションにて受付、参加費無料 (別途入園料必要) となっておりますので、ぜひお気軽にご参加ください。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
チャノキ(ツバキ科) Camellia sinensis (L.) Kuntze

本日 (2025/10/31) は生憎の雨模様でした。傘をさして園地をめぐるのもいつもと違う植物の姿が見れて楽しいですが、牧野富太郎記念館本館から展示館へ続く回廊は屋根があり濡れずに植物を観察していただけます。先週、西村のブログに登場した
キイジョウロウホトトギス は現在も開花中です。他にも葉が茶の原料になるチャノキも開花中です。
アリストロキア(ウマノスズクサ科)



雨の日は温室もおすすめです。現在、個性的な姿のアリストロキアが3種開花しています。
アリストロキア・ギガンテア(ウマノスズクサ科)Aristolochia gigantea Mart.et Zucc.
縞模様がありとても大きな花弁に見える部分は萼で、個体によっては最大径30㎝にもなり、つる性で数メートルほどの高さまで生長します。温室内にあるカーブした階段を上がるとエレベーターの手前にあります。
アリストロキア・トリカウダタ(ウマノスズクサ科)Aristolochia tricaudata Lem.
アリストロキア属の仲間はつる性のものが多いが、本種は小低木です。学名のtricaudata(トリカウダタ)は、その特徴を示しており、ラテン語の3つ(tri)と尾のある(caudata)という意味で萼片が3裂し尾のように伸びていることが由来。開花前は3本が捻じれて閉じており、上部から捻じれをほどきながら開花します。
アリストロキア・サルヴァドレンシス(ウマノスズクサ科)Aristolochia salvadorensis Standl.
萼筒中心に穴が2つあるため顔のように見え、とある宇宙を舞台にした映画の登場キャラクターに似ているといわれています。ジャングルゾーンにアリストロキア・トリカウダタと並んで植栽されていますが、本種も小低木で株元近くから花茎を伸ばし花を咲かせているので見上げず、足元に注目してみてください。
3種とも萼筒中心付近にある穴から基部のふくらみの中に虫が入ると簡単には出ることができない仕組みとなっており、虫が動くことにより受粉されます。ユニークな特徴がいっぱいのアリストロキア3種をぜひ温室で観察し見比べてみてください。
広報・ガイド 宮田 実幸
見ごろの植物
2025年10月 5週目
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見ごろマップ
2025年10月 5週目

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