スティフティア・クリサンタが見ごろです(1/23更新)

スティフティア・クリサンタ Stifftia chrysantha J.C.Mikan
スティフティア・クリサンタの頭花(キク科)

1/23現在、温室の中央付近に鉢植えで展示しており、目線の高さで蕾、花、花後の冠毛と、それぞれ異なる表情を同時に楽しめます。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

蕾。緑色の総苞が発達する。
咲きはじめの花。小花は筒状花で、花冠は5裂する。白いつまようじ状のものは雄しべ(集約雄蕊)で、咲き進むと雄しべの先端から雌しべが飛び出す。
花。雌しべは雄しべの花粉を押し出しながら飛び出し、先端が二叉する。黄色の冠毛がすでに目立つ。
花後は黄色の冠毛が半球状に発達する。

本種は日本ではあまり見られない、木本のキク科植物です。ブラジル東部の固有種で、現地では3~4メートルほどに成長します。花はキク科らしい頭花で、オレンジ色の多数の筒状花が集まってできています。開花の時点で冠毛(タンポポだと綿毛とよばれる部分)が非常に発達しており、花が終わって冠毛が半球状に広がるようすは、花よりも観賞価値が高そうです。命名者であるヨハン・ミカン(1769-1844)はオーストリアの博物学者で、ブラジルへの探検隊のリーダーの一人としてブラジルの動植物の調査を行いました。

サカキカズラ Anodendron affine (Hook. et Arn.) Druce
サカキカズラの熟して割れた果実(袋果)
シタキソウ Jasminanthes mucronata (Blanco) W.D.Stevens et P.T.Li
シタキソウの熟して割れ始めた果実(袋果)

先週のブログでは、キジョランの果実が割れ、まるでケサランパサランのように種髪が発達した、愛らしい姿の種子をご紹介しました(1/16更新分)。キジョランと同じキョウチクトウ科の植物のうち、本館ウッドデッキのサカキカズラと、回廊のシタキソウの果実がそれぞれ割れ始めていて、キジョランとよく似た種子が顔を覗かせています。

キジョランの種子
サカキカズラの種子
シタキソウの種子

今回、種子が得られたサカキカズラ、シタキソウの2種を、先日のキジョランと合わせて比較してみました。この3種のなかではサカキカズラの種髪が少し様相が異なっていて、種子の先端から5ミリほど一本立ちしたあと、そこからさらに5ミリほど立ち上がりながら枝分かれをしていました。どの種髪も細くフワフワしており、種子も薄くて風でよく飛びそうです。

このなかではサカキカズラが最も多くの果実を実らせており、種子の観察もしやすいでしょう。観察の際は果実や飛び出した種髪にそっと触れる程度で、果実をちぎったり、種子を無理に引っ張り出したりしないようにお願いします。

ウメ‘鹿児島紅’ Prunus mume ‘Kagoshimabeni’

南園の50周年記念庭園へ降りるスロープの途中には、ウメ‘鹿児島紅’が花を咲かせ始めました。濃紅花の花を咲かせる代表的な園芸品種のひとつで、花は八重で平開します。拡大した写真でわかるように、‘鹿児島紅’は雌しべが発達しないことが多く、そもそもウメ自体に自家不和合性があって(自分の花粉で結実しない、あるいはしにくい)、これまで結実に至ったものを見たことがありません。まだまだ蕾も多く、来月半ばくらいまでは見ごろが続きそうです。

今週のバイカオウレン

1/23現在の開花状況です。開花最盛期といったところでしょうか。状態のよい花が多く、観察や撮影に大変おすすめです。

広報・ガイド班長 西村 佳明