ガンゼキランの大群落が見ごろです(5/22更新)

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

ガンゼキラン大群落の限定公開

展示館の南側斜面にある未公開園地では、5,000株を超えるガンゼキランの大群落が見ごろを迎えています。

ガンゼキラン大群落の限定公開

日 時:2026年5月18日(月) ~ 29日(金)  各日11:00~15:00 ※25日(月)はメンテナンス休園日

場 所:牧野富太郎記念館 展示館南側斜面(未公開園地)

内 容:絶滅危惧種ガンゼキランの5,000株を超える大群落が期間限定で一般公開中。

ご注意:雨など天候により公開を中止する可能性があります。HPをご確認の上、運動靴など歩きやすい靴でお越しください。

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展示館の南側斜面の未公開園地にて5/22撮影
和名は偽球茎(バルブ)を岩石に見立てたことに由来する

本種は、国内では本州(静岡県・紀伊半島)・伊豆諸島・四国・九州・琉球に分布し、暖地の常緑樹林下に生えます。和名はごつごつした偽球茎(バルブ)を岩石に見立てたことに由来します。淡い黄色が美しく、園芸目的の乱獲により姿を消し、環境省レッドリスト(2020)では絶滅危惧Ⅱ類に、高知県レッドデータブック(2022)では絶滅危惧ⅠB 類に指定される希少種です。

まさに花ざかり 展示館の南側斜面の未公開園地にて5/22撮影
常緑樹林下で美しい花を咲かせる 展示館の南側斜面の未公開園地にて5/22撮影

この大群落はもともと、四万十町志和のある農家の方が近くの山で保護し自宅圃場で増殖していたものです。業者や転売目的の人々がトラックで乗り付け乱獲するなどして個体数は激減。心を痛めた農家の方が増殖した個体を植え戻しましたが、今度はイノシシが山を荒らすようになったため、2012年、当園で保護することに。当時、運び込まれたガンゼキランの株は軽トラック2台分、40㎡相当。群落の形で公開できるよう、自生地の環境に近い展示館 南側の斜面を選び、コツコツと株分けしながら植栽をつづけた結果、6年後の2018年、見応えのある景観になったことから一般公開をするに至りました。

南園の群落も見ごろ 5/20南園にて撮影
南園の群落も十分見ごたえがある 5/20南園にて撮影

もし、天候等で公開が中止になった場合、どうしてもご覧になりたい方は南園の群落も十分見ごたえがあるのでそちらをご覧ください。

この機会にぜひその美しい花をお楽しみいただくと同時に、高知県にはこのような野生植物が自生し、絶滅の危機に瀕していることを知っていただければ嬉しいです。限定公開は今月29日(金)まで(天候により公開中止の可能性あり)ですので、ぜひこの機会に息をのむ景観をお楽しみください。

ヤマアジサイ展がはじまります
ヤマアジサイ展 2025年のようす

また、5月23日(土)と24日(日)の2日間、牧野富太郎記念館 本館 映像ホールにて「ヤマアジサイ展」を開催します。本展では、愛好会の皆さまが丹精込めて育てたヤマアジサイ約70鉢と、季節の植物を展示します。ヤマアジサイ特有の魅力である素朴で清楚な美しさを、ぜひお楽しみください。本館ウッドデッキでは販売会も開催しますので、お気に入りのひと鉢を見つけてみてはいかがでしょうか。

ヤマアジサイ展

日 時:2026年5月23日(土) ・24日(日)  9:00~17:00 ※24日は16:00まで

場 所:牧野富太郎記念館 本館 映像ホール

内 容:約70鉢のヤマアジサイの展示が楽しめます。愛好家の方々が増やし育てたヤマアジサイの苗や鉢の販売もあります。

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ヤマアジサイの園芸品種 ‘紅’ 南園にて5/20撮影

園地に目をやると、本館と展示館を結ぶ回廊や南園のお馬路周辺など、園内各所ではヤマアジサイとその変種、園芸品種が見ごろです。園内にはヤマアジサイの仲間が約40種類植栽されており、そのバラエティ豊かな花姿を見比べてお楽しみいただけます。

ヤマアジサイの園芸品種 ‘深山八重紫’ 南園にて5/20撮影
マイコアジサイ 回廊にて5/20撮影

ヤマアジサイは国内では本州(福島県以南の太平洋側)・四国・九州に分布し、山地や山あいの沢沿いなどに生育します。本種は花色や姿など変異の幅が広く、多数の変種や園芸品種が見いだされ、コンパクトに育てられることから鉢植えや寄せ植え、ミニ盆栽など一般のご家庭でも広く栽培されています。

ヤマアジサイの園芸品種 ‘黒姫’ 南園にて5/20撮影

ヤマアジサイは枝の先端に花の集まりである花序をつけます。花序に注目すると、萼が花弁のように変化した「装飾花」と粒々の目立たない「両性花」という2つの異なる花があることに気づくでしょう。これは本種を含むアジサイの仲間(アジサイ科アジサイ属)の多くに共通しています。それぞれ役割が異なっていて、両性花は繁殖を担い、受粉すると結実し種子を作ります。装飾花はその華やかな見た目で訪花昆虫を誘引する引き立て役。普通、結実しません。園芸の世界では、額縁のように装飾花が両性花を取り囲む「がく咲き」とよび、すべての花が装飾花、または装飾花が多数を占めて半球状になるものを「てまり咲き」とよびます。

アマギアマチャ 南園にて
シチダンカ 南園にて
アマチャ 薬用植物区にて

ヤマアジサイの変種であるアマギアマチャシチダンカアマチャも見ごろです。花色や花姿は千差万別。その多様な姿をぜひ楽しんでください。

ネジキ(ツツジ科)
混混山の南斜面にて5/22撮影
総状花序を伸ばし、横一列に白い壺形の花を下向きに密につける

混々山の南斜面で見ごろです。国内では本州(山形県・岩手県以南)・四国・九州に分布し、コナラやアカマツの疎林のほか、岩場や尾根沿いなど日当たりのよい山地に生えます。和名は幹がねじれるようすに由来し、ねじれは成木になると顕著になります。

総状花序を伸ばし、横一列に白い壺形の花を下向きに密につけます。下から見上げると吊り下がった花が美しいです。

新梢は鮮やかな赤色を呈する
ネジキの植栽位置

新梢は鮮やかな赤色をしており、ヌリバシ、アカメ、アカギなどの別名があります。こんこん山広場から南園や温室方面へ下る道に曲がって、林を抜けた先、明るく開けたすぐに植栽がありますので、マップを参考に探してみてください。

広報課 西村佳明