2024-09-05 / 最終更新日 : 2024-12-10 牧野植物園広報課管理 植物図 バイカオウレン(キンポウゲ科) 早春、梅の花に似た白い花を早春に咲かせる 落葉樹の下に苔が自然に生え、湿った空気が常に流れているような環境に生育 花びらのようにみえる白い部分は萼片で、黄色のコップ状の形をしたものが花弁 (日高村で撮影)©鴻上泰 袋果 描画者:牧野富太郎 材質:和紙 技法:墨 年月日:1892/4/7 場所:土佐佐川村(高知県佐川町) 早春、梅の花に似た白い花を早春に咲かせる 種名バイカオウレン 科名キンポウゲ科 別名ゴカヨウオウレン 学名Coptis quinquefolia Miq. 摘要 本州(福島県以南)・四国に分布し、山地~亜高山帯の林床や林縁に生育する多年草。梅の花に似た白い花を早春に咲かせる。花びらのようにみえる白い部分は萼片で、黄色のコップ状の形をしたものが花弁。葉は当園のロゴマークになっている。 さらに詳しく① 牧野富太郎は、幼い頃より郷里佐川町に生えていたバイカオウレンが大好きで、晩年は見舞人が持ってきたバイカオウレンに顔をこすり付けて喜び、故郷高知を懐かしんだといわれている。図は、佐川村(現・高知県佐川町)に帰郷していた牧野博士が29歳の時に描いたもの。左下には、葉を朱で押して記録した跡がある。 さらに詳しく② 四国には、バイカオウレンの変種シコクバイカオウレンのみが分布するとされてきたが、近年のDNA分子系統解析による研究から、四国の低山にはバイカオウレンが、標高が高い山地にはシコクバイカオウレンが生育することがわかった。また、九州のみに分布するとされるヒュウガオウレンや、ヒュウガオウレンとバイカオウレンの雑種が四国に分布することも示唆されており、さらなるオウレン属の系統分類学研究が期待されている。 植栽エリア A土佐の植物生態園 B本館周辺/回廊 開花期 12月中旬〜2月中旬 見ごろ ○ 博士ゆかり ○ 植物図 ○