2024-09-06 / 最終更新日 : 2024-12-12 ガイドチーム 7月 ムジナモ(モウセンゴケ科) 冬の間は殖芽の姿で越冬 1日花で真昼の1時間ほどのみ開花する”幻の花” ムジナ(=アナグマやタヌキ)の尾に似て、水中に浮いているので「ムジナモ」という和名を付けられた 2枚貝のような葉を持ち、刺激によって開閉してミジンコやボウフラなどを捕える 根がなく、水中を浮遊する。茎の節に葉が放射状に輪生する 描画者:牧野富太郎 技法:石版 出典:『日本植物志図篇』第1巻第12集(未完) PN:第70図版 種別:石版画 冬の間は殖芽の姿で越冬 種名ムジナモ 科名モウセンゴケ科 別名- 学名Aldrovanda vesiculosa L. 摘要 日本(本州)、ユーラシア、アフリカ、オーストラリアに分布し、湖沼などの水中に浮遊する食虫植物。2枚貝のような葉を持ち、刺激によって開閉してミジンコやボウフラなどを捕える。7~8月になると水面上に直径5~6mmの小さな白い花を咲かせるが、1日花で真昼の1時間ほどのみ開花するので、滅多に見ることができない。国内のムジナモの自生地は開発などによりほぼ消滅しているが、埼玉県羽生市宝蔵寺沼では、羽生市ムジナモ保存会によって積極的に自生地復元の努力が続けられている。 さらに詳しく① 1890(明治23)年、江戸川河川敷(現在の東京都江戸川区北小岩)で、ヤナギの仲間の果実を採集しようとしていた28歳の牧野富太郎は、用水池に浮かぶ奇妙な水草を発見。これを当時出入りしていた東京大学理学部植物学教室に持ち込んだところ、海外の書物に載っている有名な食虫植物で、学名がアルドロヴァンダ・ウェシクロサであること、ヨーロッパ、インド、オーストラリアの一部にのみ分布していることを矢田部良吉教授から教えてもらった。日本で初めての発見者となった牧野富太郎は、ムジナ(=アナグマやタヌキ)の尾に似て水中に浮いているので「ムジナモ」という和名を付けた。この後、牧野は矢田部教授から植物学教室への出入りを禁じられ苦境に立たされたが、ムジナモの詳細な植物図を完成させ「植物学雑誌」にて発表。開花した花が描かれた牧野の精密な図は世界に衝撃を与え、ドイツ人植物学者エングラー監修の世界的な権威ある書物『ダス・プランツェンライヒ』に転載され、日本の牧野富太郎の名が世界に知られるきっかけとなった。 さらに詳しく② 植栽エリア E展示館 中庭/周辺 開花期 7月下旬〜8月中旬 見ごろ ○ 博士ゆかり ○ 植物図 ○