【3/21】見ごろの植物を更新しました
春の温かさを感じる園内では、メジロやヒヨドリ、ミツバチなどが花の蜜を吸う様子をよく目にします。後述するサクラの仲間のほか、ハクモクレンや
モモ‘矢口’などが満開になり、華やかになってまいりました。
見ごろの状況
ユキワリイチゲ(キンポウゲ科)…★★★ 見ごろです。
サクラの仲間(バラ科)…★★★ エドヒガン、
カンザクラ‘大寒桜’が見ごろです。
エドヒガン‘紅枝垂’は咲き始めです。
ヒスイカズラ(マメ科)…★★☆ 咲きはじめです。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
日本気象協会発表の桜(ソメイヨシノ)の開花予想によると、今年(2025年)の高知(市)は東京、宮崎、熊本、鹿児島に並ぶ、全国トップの3/24(月)だそうです。
牧野博士は大のサクラ好きで「わが国で世界に対して誇るに足る第一の植物はさくらである」と語っています。園内にはそんな博士が愛したサクラの仲間を野生種や園芸品種含めおよそ40種植栽しており、入れ代わり立ち代わり見ごろを迎えます。園内でもソメイヨシノの開花はこれからですが、一足先に見ごろになった早咲きのサクラの仲間を今日はご紹介したいと思います。
まずご紹介するのはサクラ属の園芸品種‘東海桜’です。本館から回廊へ向かってすぐ左側に植栽があります。3/21現在、ピークを少し過ぎていますがきれいに咲いています。



本種は切り花に用いられます。花には芳香があるので、ご覧になる際はぜひ顔を近づけて香りを嗅いでみてください。種間雑種とされ、片親と推定されているシナミザクラの特徴である、樹幹からの気根の発生が多くみられます。
続いてご紹介するのはカンザクラ‘大寒桜’です。こんこん山を登った先の丘に2株の植栽があります。3/21現在、開花の最盛期でたくさんの花がこぼれんばかりに咲いています。


本種はカンヒザクラとオオシマザクラの種間雑種と考えれており、埼玉県川口市安行から広まったことから「安行寒桜」とも呼ばれます。こんこん山の2株は牧野博士自身が東京都練馬の自宅の庭に植えていた個体からの接木苗で、自宅跡に開園した牧野記念庭園より分譲されたものです。博士も毎日愛でた花をご覧になりませんか。
次にご紹介するのはエドヒガンです。園内には回廊やさくらつつじ園、展示館中庭、南園などでご覧いただけますが、見ごたえがありつつ比較的観察しやすいさくらつつじ園での観察をおすすめします。



和名は春の彼岸のころに咲き、江戸で多く栽培されたことに因ります。博士ゆかりの植物でもあり、牧野博士が高知県の旧吾川村名野川で採集した標本をもとに1893年に学名を発表しています。サクラの仲間では長命で、千年以上生きるものもあります。本種は花の基部の萼筒(がくとう)がひょうたん型に膨らむ特徴があり、「ひょうたん桜」と呼ばれることも。
最後に紹介するのはエドヒガン‘紅枝垂’です。さくらつつじ園と南園・灯ろうのあたりに植栽があります。3/21現在、さくらつつじ園は咲き始め、南園・灯ろうのあたりは3~5分咲きくらいでしょうか。



エドヒガンの枝垂れ品種であるイトザクラの中から花色が濃いものを選抜した園芸品種であり、エドヒガンと同じく萼筒がひょうたん型に膨らみます。
今見ごろのサクラを紹介しましたが、好みのものはありましたか。春の温かさを感じる園内でサクラを愛でながら楽しんでみませんか。
広報課ガイド担当 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

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