【4/25】見ごろの植物を更新しました
園内では、この時期大変人気のヒトツバタゴとハンカチノキがそれぞれ見ごろとなり、多くのお客様が足を止めじっくり観察を楽しんでいらっしゃいます。昼間は暑いくらいなので、念のため飲み物を持って散策をお楽しみくださいませ。それでは、今週の見ごろの植物をご紹介します。
見ごろの状況
ヒトツバタゴ(モクセイ科)…★★★ 開花最盛期です。
ハンカチノキ(ヌマミズキ科)…★★★ 開花最盛期です。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。



4/25現在、本館と展示館を結ぶ回廊や展示館の周辺、北園と南園を結ぶ連絡道、結網山の少年広場など、園内各所ではヒトツバタゴが見ごろをむかえています。まるで雪が積もったような、美しい姿をご覧ください。日本国内では長野県、岐阜県、愛知県のほか、そこから遠く離れた長崎県の対馬に分布(隔離分布)します。ナンジャモンジャとも呼ばれ、こちらのほうが聞き覚えのあるかもしれません。和名の由来はタゴ(トネリコのこと)に似るものの葉が複葉ではなく単葉であることに因ります。
本種は株によって、おしべのみの花を咲かせる「雄株」と、一つの花にめしべとおしべが同居する「両性花」を持つ株があり、雄株はめしべがないので結実しません。2つの異なる花が咲くタイプがあることでほかの株との交流を促し、自家受粉を避ける狙いがあるのかもしれません。



4/25現在、芝生広場から降りる階段のところで見ごろとなっており、見上げると和名の由来である2枚の大きな白い苞を観察いただけます。中国南西部の標高2000mほどの高山にだけ分布する落葉高木で、ジャイアントパンダを発見したことで有名なフランス人神父アルマン・ダヴィッドが本種も発見しています。中央にある丸い部分は多数の雄花と、緑色の‘でべそ’のような一つの雌花からなる花序(花の集まり)です。花びらはなく、代わりに大きな白い苞が花の位置を虫に知らせます。


土佐の植物生態園の池のエリアに植栽があるほか、4/25現在、本館のウッドデッキでも鉢展示をしています。園芸好きの方ならその姿からすぐにクレマチスの仲間と気づくことでしょう。大きな目立つ花を咲かせますが、花びらに見える部分はガク。カザグルマは基本8枚のガクを有します。本種は国内では本州から四国、九州に分布するカザグルマの白花品種で、ここ高知県の自生株はほぼ白花です。園芸店に行くとピンク色や白色、青紫色など色とりどりの花を咲かせるクレマチスを見かけますが、これらの中にはカザグルマを交配親にして作出された園芸品種も少なくありません。つるを伸ばして成長し、柔軟な葉軸が他の枝などに巻き付いてつるを固定しながら、上へ上へと伸びていきます。


連絡道でひと際怪しい雰囲気を醸しながら盛りをむかえています。中国の南部~南西部に自生するつる性の植物で、熊本県菊鹿町相良にある推定樹齢1,000年以上といわれる株は『相良のアイラトビカズラ』とよばれ、国の特別天然記念物に指定されています。かつてはなかなか開花せず、日清・日露戦争時に咲いたため「世に異変が起きる花」として恐れられたといいますが、当園では毎年たくさんの花を咲かせています。ぜひ一度、顔を近づけて匂いを嗅いでみてください。ガス漏れをしているような、なんとも嫌な臭いがします。
広報課ガイド担当 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

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