【8/22】見ごろの植物(ネコノシタ、ゴンズイ、オミナエシ、スイレンの仲間)を更新しました
蒸し暑い園内ですが、夏にも負けずに多くの植物が花を咲かせています。水分・塩分の補給を忘れずに園内散策をしてみませんか。本館や展示館など冷房が効いた屋内での休憩もお忘れなく。
それでは今週も園内で見ごろとなっている植物をご紹介します。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
ネコノシタ(キク科) Wollastonia dentata (H.Lév. et Vaniot) Orchard

中心部の筒状花を囲う舌状花(花弁状の花)はまばら。

ネコの舌のようであることに由来する。

名前は幼いころ体色が白かったことに因る。
土佐の植物生態園で黄色の頭花をご覧いただけます。本種は、本州(新潟県・千葉県以西)・四国・九州・琉球のほか、国外では東〜東南アジアの暖帯〜熱帯に分布し、海岸の砂地に生育します。盛んに分枝しながらほふく枝を伸ばし、面的に広がります。花後にはタンポポの仲間のような冠毛はないものの、コルク質が発達した果実(痩果)ができ、風で飛ばないかわりに波にさらわれると浮き、ハマオモトやハマゴウなどと同様、海流散布によって種子が遠くまで運ばれます。よければ葉をそっと触ってみてください。茎と葉には短い剛毛があって、和名はざらざらした葉の様子をネコの舌に見立てています。
ゴンズイ(ミツバウツギ科) Euscaphis japonica (Thunb.) Kanitz


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刺されるとひどく痛むものの、身はゼラチン質でおいしい
(足摺海洋館SATOUMIにて撮影)
本館と展示館を結ぶ回廊の、『屋根のない側』を展示館方向へ進むと、見上げる形で本種の果実をご覧いただけます。本来、赤色の鮮やかな果実はよく目立つものですが、多くのお客様は屋根の下を通るので気づかない人が大半です。8/22現在、果実は一部が裂開し、黒く光沢のある種子が顔を覗かせていますが、ここまで観察するには双眼鏡やズームレンズが必要です。本種は本州(茨城県および富山県以西)・四国・九州・琉球のほか、国外では台湾、中国に分布し、二次林や林縁など比較的に明るい林に生育します。和名は、材が柔らかく製材に向かない本種を、毒針で扱いづらく商品価値が見いだされなかった海水魚のゴンズイに例えたとする説があります。ミツバウツギ科は日本国内に3属3種あり、ゴンズイ属の本種のほか、土佐の植物生態園にはショウベンノキ属の
ショウベンノキが、こんこん山広場にはミツバウツギ属のミツバウツギと、本科の国内で見られるすべての種が園内で観察できます。
オミナエシ(スイカズラ科) Patrinia scabiosifolia Link


土佐の植物生態園や芝生広場、蛇紋岩植生園などで鮮やかな黄色の花を咲かせています。本種は北海道から九州の、日当たりが良い山野や草原に生育し、秋の七草のひとつとして古くから親しまれています。日本の野生植物(平凡社)には「花は8-10月。かすかな悪臭がある」とあったので、実際に香りを嗅いでみましたが、個人的には悪臭と感じませんでした。みなさんはどのように感じるでしょうか。
また本種は薬用としても用いられ、根を乾燥させたものは生薬名:敗醤根(はいしょうこん)といい、消炎や利尿、排膿作用を期待し、薏苡附子敗醤散(よくいぶしはいしょうさん)などの漢方薬に配合されます。私は花に臭気を感じませんでしたが、敗醤根は別。読んで字のごとく、醤油を腐らせたかのような特異な香りがします。
南園の池のスイレン






ちょうどこの時期は端境期で花も減ってしまいますが、南園の池(5号池)では暑さに負けずスイレンの仲間が「私を見て」と言わんばかりに美しい花を咲かせています。夜咲きのレッド・フレアやミズーリ、セロン・ピンクなどは朝一番にお越しいただければ、花がまだ、ある程度開いた状態でご覧いただけるかと思います。暑い中園内を歩くのは大変ですが、ぜひ夏の園内をお楽しみください。
広報・ガイド班長 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

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