【10/18】見ごろの植物を更新しました

朝晩と日中の寒暖差が大きくなってきました。当園の秋の人気者ジョウロウホトトギスも、やっと花数が増え、例年より1週間から10日遅れながら、気品あふれる姿がご覧いただけるようになってきました。

そのすぐそばでは、クルンとしたカールが魅力のオオクサボタンも見ごろに。

今週は半袖での散策されるお客さまを多く見かけましたが、週末以降、少し気温が下がる予報も出ています。ご来園の際は、ぜひあたたかく羽織れるものを1枚ご持参されることをおすすめします(なお「企画展」を開催しているスペースは、資料保存のため常時22℃に設定されているため、ややひんやりします)。

それでは、今週も園内をくまなく調査した「いまが見ごろの植物」をガイド担当がお届けします。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

ジョウロウホトトギス(10/18撮影)
ハナカズラ
オオクサボタン
コヒガンザクラ‘十月桜’
ショウキズイセン
ツクバネガキ

本館と展示館を結ぶ回廊では当園の秋の人気者、ジョウロウホトトギス(ユリ科)が黄色の吊り鐘状の花を咲かせています。本種は高知県の石灰岩地にのみ生育する希少種で、牧野博士が23歳のとき、高知県越知町にある横倉山で発見し、ロシアのマキシモヴィッチ博士が新種として学名を発表しました。牧野博士がつけた和名はその気品あふれる花を宮中の貴婦人(上﨟:じょうろう)に例えたことに由来します。

ふっくら美しい花(10/18撮影)
次々と花が開いています(10/18撮影)

すぐそばに植栽している近縁種のキイジョウロウホトトギスもまもなく咲きますが、両種の花の違いをここでご紹介。

ジョウロウホトトギス(写真左側)とキイジョウロウホトトギス(同右側)

両種とも花の内側には紫褐色の斑点がありますが、ジョウロウホトトギスは写真のように縁ギリギリまで斑点があるのに対し、キイジョウロウホトトギスは縁まで達しません。キイジョウロウホトトギスが咲いたらぜひ見比べてみてください(※斑点を観察する際は、花に触れず、下からのぞきこんでみてください)。

同じく回廊ではオオクサボタン(キンポウゲ科)が薄紫色の花を咲かせています。本種は四国、九州の石灰岩地などでまれに生育し、高知県では四万十川中流域など限られた場所で見られます。筒状の花の形や低木状になるその姿からは想像できないかもしれませんが、多数の園芸品種が作出されているクレマチスの仲間です。

南園の50周年記念庭園ではツクバネガキ(カキノキ科)が飴色で小ぶりの果実を実らせています。本種は中国(浙江・江蘇地方)原産で、日本へは1940年頃渡来しました。果実が美しく小型であることから盆栽や鉢植え、庭木などに用いられています。果実はおいしそうに見えますが決して口には入れないように。渋みが強く、主に観賞用です。

広報課ガイド担当 西村佳明

マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。

今週の見ごろの植物

ツルウメモドキ(ヌマミズキ科)
ツクバネガキ(カキノキ科)
カンレンボク(ヌマミズキ科)
リンドウ(リンドウ科)
マレーフトモモ(フトモモ科)
ハナカズラ(キンポウゲ科)
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
タニジャコウソウ(シソ科)
スイフヨウ(アオイ科)
ジョウロウホトトギス(ユリ科)
ショウキズイセン
ゴヨウアケビ(アケビ科)
コヒガンザクラ‘十月桜’(バラ科)
キンモクセイ(モクセイ科)
ガマズミ(ガマズミ科)
オオボウシバナ

今週の見ごろマップ

「見ごろ植物マップ&フォト」過去1年分もダウンロードできます。「見ごろカレンダー」のページで確認してみてください

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