【11/22】見ごろの植物を更新しました

大変好評をいただいている 幻の画家 山田壽雄の植物図 が11/24(日)に終了します。まだご覧になっていない方はぜひこの機会にご来園下さい。

それでは、今週も園内をくまなく調査した「いまが見ごろの植物」をガイド担当がお届けします。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

サネカズラ(マツブサ科)
ブンタン(標準和名:ザボン)(ミカン科)
キバナアマ(アマ科)
キイレツチトリモチ(ツチトリモチ科)11/22撮影
サフラン(アヤメ科)
アシズリノジギク(キク科)

土佐の植物生態園や回廊では、サネカズラ(マツブサ科)が赤色の果実を実らせています。国内では本州(関東以西)、四国、九州および琉球に分布し、各地の山地でほかの樹木につるを絡ませながら生育します。ビナンカズラという別名でご存じの方も多いと思いますが、その名は、枝葉を水に浸して得たとろみのある液体を男性の整髪料に利用したことに由来します。百聞は一見に如かず、ブログ執筆にあたって枝葉を刻んで水に浸してみました。少し揉んでみると粘りの強い液体となり、確かに髪がセットできそうです。

枝葉を刻んで水に浸すととろみの強い液体に。
雄花(2023年8月31日撮影)
雌花(2023年9月7日撮影)

サネカズラは雄株と雌株があり(雌雄異株)、それぞれが雄花と雌花を8月から9月にかけて咲かせます。雌花の中心の緑色の部分は子房の集まりで、秋が深まったこの時期になると、赤い球状の集合果となります。今年も多くの果実が実り、離れていても目立つのでぜひご覧ください。

ふむふむ広場の土佐の畑エリアでは、ブンタン(標準和名:ザボン)(ミカン科)が大きな黄色の果実を実らせています。東南アジア原産と考えられており、日本には江戸時代に伝わったとされています。本種は寒さに弱く、温暖な高知県は国内で流通するブンタンの実に90%以上を生産する一大産地となっています。2月ごろになると追熟して酸味が落ち着いたものが流通するようになり、果物屋さんの店頭に大きなビニール袋いっぱいに詰めたブンタンが所狭しと並ぶ様子は、まさに高知の冬の風物詩です。

描画者:牧野富太郎 材質:ケント紙 技法:鉛筆 年:1927 場所:相州湯河原(神奈川県湯河原町)

南園の50周年記念庭園ではキバナアマ(アマ科)が濃黄色の鮮やかな五弁花を咲かせています。インド北部から中国中南部原産の小低木で、同じアマ科には種子から亜麻仁油を、茎の繊維から亜麻布(リネン)を得るアマがありますが、本種は属が異なります。葉は食品の酸化や腐敗を防ぐ抗菌剤として利用される場合があるようです。屋外の花が減るこの時期にとても目を引く美しい花です。

広報課ガイド担当 西村佳明

マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。

今週の見ごろの植物

ヤマラッキョウ(ヒガンバナ科)
ヤナギノギク(キク科)
ブンタン(標準和名:ザボン)(ミカン科)
ハナトリカブト(キンポウゲ科)
ナガラッパバナ(ナス科)
ナカガワノギク(キク科)
ツワブキ(キク科)
ダルマギク(キク科)
タイキンギク(キク科)
ソナレノギク(キク科)
シオギク(キク科)
サネカズラ(マツブサ科)
コヒガンザクラ‘十月桜’(バラ科)
クラリンドウ(シソ科)
キバナアマ(アマ科)
カンランの園芸品種(ラン科)

今週の見ごろマップ

「見ごろ植物マップ&フォト」過去1年分もダウンロードできます。「見ごろカレンダー」のページで確認してみてください

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