チトセカズラが咲きました(6/5更新)

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
サボテンと多肉植物展 が始まりました


6月7日(日)まで、牧野富太郎記念館 本館 映像ホールにて「サボテンと多肉植物展」を開催しています。第14回目となる今回は、「白」をテーマに羽毛のような柔らかい棘が特徴のマミラリア属や、棘座が美しい模様で「星の植物」と呼ばれるアストロフィツム属などのサボテンをはじめ、透明感のある葉が宝石のように美しいハオルチア属、多種多様な形状をもつユーフォルビア属などの多肉植物の中から「白」にまつわる作品が集結。白く柔らかな雰囲気の姿をお楽しみいただける展示となっています。サボテンや多肉植物の販売会もありますのでお気に入りの一鉢を購入してはいかがでしょうか。
さつきまつり
日 時:2026年6月5日(金) 〜 7日(日) 9:00~17:00(販売会は各日16:00まで)
場 所:牧野富太郎記念館 本館 映像ホール
内 容:四国の愛好家が丹精込めて育てたサボテンと多肉植物を134鉢展示します。販売会も開催します。
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チトセカズラ(マチン科)


本館と展示館を結ぶ回廊でご覧いただけます。本種は国内では兵庫県、中国地方(岡山・広島・山口・鳥取県)のごく限られた場所に分布する常緑のつる植物で、谷沿いの林内や林縁にみられます。陽光のあたる環境では葉の色は緑一色ですが、林内など薄暗い環境下では葉の表面の主脈に沿って白い斑が入ります。
牧野博士は1880(明治13)年に東京帝国大学の植物園(小石川植物園)に植栽されていた本種を標本にし、1892(明治25)年に学名 Gardneria multiflora Makino を提唱しました。当時、植物園の植栽であったために本種が日本に自生するか不明でしたが、その後、 吉野善介氏から岡山県高倉村 (現・高梁市)で採集した標本が送られ、牧野博士は日本に自生する植物であると確信、1901(明治34)年「植物学雑誌」に詳細な記載をつけて正式に発表しました。
マチン科とはあまり聞き馴染みがない方も多いのではないかと思います。それもそのはず、日本の野生植物(平凡社)によるとマチン科に属するものは主に熱帯から亜熱帯の、特にオーストラリアとニューカレドニアに多くの種が分布するようです。
花は数日と寿命が短く、ある程度揃って咲くので自生地ではなかなか花を見ることができません。当園での見ごろはこの週末まででしょうか。ぜひこの機会に花をお楽しみください。
ヒメユリ(ユリ科)

こんこん山広場の草原エリアと南園の石灰岩植生園では鮮やかな濃赤色の花が映えるヒメユリが見ごろです。本種は本州から九州にかけての山地や草原に自生し、観賞用に栽培されることもあります。自生のものは日本各地で絶滅が危ぶまれており、環境省レッドリスト(2020)では絶滅危惧IB類(EN)に、高知県レッドデータブック (2022)では絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。こんこん山広場のヒメユリは高知県津野町との連携協定のもと採集の許可をいただき、職員が種子から大切に育てたものです。
ちなみに、ヒメユリの名から連想される『ひめゆり学徒隊』のひめゆりは本種ではなく(沖縄には自生していない)、女子学生が動員された2つの学校の愛称から名付けられたものになります。


吸蜜していたキアゲハは本種の花粉で足やお腹が赤く染まり、まんまと花粉の運び屋に仕立てられました。ふと、報酬の蜜はどこにあるのか気になったので花をよく観察してみました。6つの花被片にはそれぞれ、2本のひだが湾曲し管状になった「蜜溝」が基部まで続いています。中央の基部寄りに開口部があって、蜜のありかを虫に知らせる「蜜標」が開口部の位置を知らせています。写真でもわかりますが、キアゲハが口吻を伸ばして吸蜜しているのも開口部からのようです。


2つあるひだの一方をカッターで切り取ると蜜溝に沿うように蜜が確認できました。
ヒメシャラ(ツバキ科)


展示館の外側(芝生広場側)で見ごろとなりました。本種は本州(神奈川県箱根山以西、中国地方を除く)、四国および九州(屋久島まで)に分布し、四国では標高500メートルから上部の主にブナ帯に生育します。自生のものは幹が直立して高く伸び、淡い赤褐色で滑らかな樹皮は遠くからも目立ち、容易に見分けられます。名前は近縁の
ナツツバキの別名であるシャラノキに似て、葉や花が小さいことに因ります。


「ヒメシャラとナツツバキの違いを教えて」とよく質問をいただきますが、ナツツバキも6/5現在、展示館の中庭で見ごろなので、両種を見比べてみてください。ヒメシャラの花は直径2センチ強、ナツツバキは同5センチほどあります。単独の写真ではわかりにくかったサイズ感ですが、両種を並べて比較すると圧倒的にナツツバキのほうが大きいことがわかります。
広報課 西村佳明

