【4/18】見ごろの植物を更新しました
来週の4/24(木)はマキノの日!
『マキノの日』は文久2年4月24日に生まれた牧野博士の誕生日を記念し当園が毎年開催するイベントで、どなたも無料で入園いただけるスペシャルな日!春の日差しに包まれた園内ではツツジの仲間が大変見ごろで、赤やピンク、白など色鮮やかな園地をお楽しみいただけます。花を愛でながら、一緒に博士の記念日をお祝いしませんか。
詳しくはこちらをご確認ください【マキノの日】
それでは、今週も園内をくまなく歩いて調査した見ごろの植物をご紹介いたします。
見ごろの状況

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
ギンリョウソウ(ツツジ科)



土佐の植物生態園では、幻想的なその姿が時々ニュースになるギンリョウソウが咲きました。見た目からは全く想像ができませんが、本種はツツジ科に属する多年草で、日本国内では北海道から九州に分布し、主に林内の湿り気のある腐葉土に生えます。薄暗い林内に生じるその透き通るような白からユウレイタケとよばれることもあります。大部分の植物は葉緑体由来の緑色の身体をしており、光合成をすることで自ら栄養を得る【独立栄養生物】ですが、本種はその姿のとおり葉緑体を持たず、自身で栄養を作り出すことができません。一昔前は腐葉土から生きるためのすべての栄養を得ていると考えられていましたが、今では土壌中の菌類から養分を奪って生育する【菌従属栄養植物】であることがわかっています。
4/17現在、ガラスのように透き通った姿をご覧いただけます。正門から入って「ひとつ目の長椅子」の裏に人知れず咲いています。鱗片状に退化した葉が特に傷みやすく、いずれ茶色く変色するので、お早めにご覧ください。
アカシア・スペクタビリス(マメ科)



本種はふむふむ広場内、ふれあいの庭の端っこに植栽があります。主にオーストラリアの乾燥地などに見られるアカシアの仲間で、黄色い球形の花を房状に咲かせます。この球形の花は一つ一つがたくさんの花の集合体であり、基部を中心に飛び出した多数のおしべとめしべからなる小花が球体を形づくっています。アカシアの仲間は切り花で流通し、よく「ミモザ」と呼ばれますが、本来はオジギソウ属のことを指すので本当は誤用です。また、同じくマメ科のハリエンジュのことをアカシアと混同することも多く、例えば、アカシア蜂蜜はハリエンジュを蜜源としているなど、呼称については混乱をきたしています。本種はアカシア属の中でも花が大きく、鮮やかな黄色の‘ポンポン’が青空に映え美しい上、芳香もあるのでぜひ顔を近づけて香りも楽しんでください。
サクラソウ‘南京小桜’(サクラソウ科)


土佐寒蘭センターではただいまサクラソウの展示を行っており、たくさんの園芸品種をご覧いただけます。サクラソウはもともと北海道南部、本州、九州の川岸の原野や山間の低湿地に自生する多年草で、古くから園芸植物として栽培されてきた歴史があります。このうち‘南京小桜’は現存する最古のサクラソウの園芸品種といわれており、江戸時代末期のころから伝わる『櫻草作傳法』には、「享保以降、本種のタネを播いて変わり花を作り出すようになり、実生花として初めて生まれたのが‘南京小桜’である」(意訳)とあります。花は小さいながらもハッキリとした白い縁取りが美しい銘花です。
トキワバイカツツジ(ツツジ科)


園内各地で見ごろとなっているツツジの仲間からはトキワバイカツツジをご紹介。本種は結網山の中腹でご覧いただけます。愛媛県宇和島市の山中にのみ分布する大変希少な種で、ともに植物学者の原寛博士と、元高知大学教授の山中二男博士によって1984年に新種として発見されました。この株は、1985年に自生地近くの民有林で杉林育成のために引き抜かれたものを保護・養生したものです。多くの種が漏斗状の花を咲かせるツツジ属にあって、本種は皿状に平開する特異的な花を咲かせます。香りもよく、株に近づくだけで上品な甘い香りに気づくことでしょう。
広報課ガイド担当 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

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