【6/20】見ごろの植物を更新しました
7月6日(日)までの土日限定で『初夏のガーデンツアー』を開催中です。ヒメアジサイやハンゲショウなどの草花が彩る園内を、職員がさまざまな視点から解説する人気のガイドツアーで、①10:30 ②13:30の1日2便を実施します。当日、朝9時から先着順で受付しますので、ぜひ奮ってご参加下さい。

初夏のガーデンツアー
それでは今週も見ごろの植物をご紹介します。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。



今年も本館のウッドデッキから屋根付きの回廊に降りたところで本種の鉢展示が始まりました。海南学校(現・高知小津高等学校)の教官だった矢野勢吉郎が高知県の手箱山 (標高1,806m)で発見し、牧野博士が 1891(明治24)年に、発見者にちなんだ学名Silene yanoei Makinoと、発見地の名を冠した和名を発表しました。本種は四国(徳島県、愛媛県、高知県)と朝鮮半島南部に分布する多年草で、深山の、身もすくむような崖の岸壁に生えるため、自生地での観察は困難を極める、まさに高嶺の花です。発見地の手箱山では長らく自生が確認されていませんでしたが、2023(令和5)年におよそ20年ぶりに確認されています。開花期は比較的長く、これから花数も増えていき、去年は10月ごろまで頑張ってくれました。目の前でゆっくり観察できる機会はそうそうない植物なのでぜひ注目してみてください。


こんこん山広場や、南園の50周年記念庭園に植栽されています。本州(群馬県以西)、四国、九州に分布し、林縁の岩上などに生える多年草で、園内では6月中下旬ごろに鮮やかな黄色の花を咲かせます。ロシアの植物学者マキシモヴィッチ博士は、牧野が1885(明治18)年に彼が生まれた高知県高岡郡佐川町で採集した本種の標本をもとに1888(明治21)年にSedum makinoi Maxim.と新種として発表しました。本種を含むマンネングサの仲間は多肉植物の愛好家からは学名(の属名)を英語読みしたセダムと呼ばれて親しまれており、どれもよく似た花や姿をしています。ちょうど、土佐の植物生態園では近縁種のタイトゴメが、本館のウッドデッキにはタカネマンネングサの鉢植えがあるので、ぜひ本種との形態の違いを観察してみてください。
マルバマンネングサ | タイトゴメ | タカネマンネングサ | |
分布 | 群馬県以西の本州、四国、九州 | 関東以西の本州、四国、九州 | 近畿以西の本州、四国、九州 |
花の特徴 | ![]() 子房は5個、葯は赤色。 | ![]() 子房は5個、葯は黄色。 | ![]() 子房は普通3個、葯は赤色 |
花茎の葉の付き方 | ![]() 対生 | ![]() 互生 | ![]() 互生 |



こんこん山広場のトイレのそばに植栽されています。本州から沖縄に分布し、河原や林縁など日当たりのよい場所を好む落葉高木で、大きいものだと高さ10メートル以上になります。糸状に伸びた多数のおしべを含む小花が集まって、紅色の半球状の花序を形作ります。この花は日没前に開花し、翌日の昼前にはしぼんでしまう寿命の短い花で、花の観察は朝の早いうちをおすすめします。和名の由来は小葉が夜間に閉じること(就眠運動)を睡眠に見立てたことに因ります。展示館・常設展示室の裏側には近縁種のオオバネムノキの植栽もあり、こちらもちょうど見ごろなので、マンネングサの仲間と同様、両者を比較してみても面白そうです。
広報・ガイド班長 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

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