キジョランの果実が割れました(1/16更新)

キジョラン Marsdenia tomentosa C.Morren et Decne.
キジョラン(キョウチクトウ科)

本館の受付窓口近くに植栽されており、1/15現在、熟して割れた果実から長い毛が顔を覗かせています。ご覧になる際は、果実の割れ目が後ろ向きなので回り込んで見てください。本種は本州(千葉県以西)・四国・九州・琉球のほか、国外では朝鮮(南部)に分布する常緑のつる植物で、高知県内ではしばしば石灰岩地に生育します。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

キジョランの果実。
キジョランの種子。扁平な形をしていて、先端に種髪を持つ。
アサギマダラの成虫。幼虫は本種を食べて育つ。

果実は1年かけて成熟し、こぶし大の、緑色のマンゴーのような形をしています。割れる前はおいしそうな見た目をしていますが、ジューシーな果肉はなく、代わりに多数の種子が入っています。種子は扁平な形をしていて、先端に「ケサランパサラン」のような長い毛(種髪:しゅはつ)を持ちます。和名は、この種髪を鬼女の怒り狂って乱れた髪に見立てたことに由来します。観察する際は種子を無理に引き出したりはせず、眺めるだけに留めてくださいね。

園内には本種のほか、土佐の植物生態園にはクサナギオゴケが、本館ウッドデッキにはサカキカズラが、回廊にはシタキソウが、展示館周辺にはテイカカズラが、南園にはスズサイコなどキョウチクトウ科の植物が植栽されています。これらの種子はみな似通った形態をしており、種子は風に乗って遠くまで飛んでいきます(風散布)。

モクレイシ Microtropis japonica (Franch. et Sav.) Hallier f.
モクレイシの種子。緑色の果皮が割れ、赤色の仮種皮に包まれた種子が見える。
モクレイシの蕾。左:雄花、右:雌花

展示館の中庭にて、緑色の果皮が割れ、赤い仮種皮が目立つ本種の種子がご覧いただけます。本種は暖地に生育する常緑低木で、分布が面白く、国内では本州(房総、神奈川、伊豆)と九州(南部、五島列島)、沖縄と、とびとびに分布(隔離分布)します。本種は雌雄異株といって我々人と同様に性別があり、雄株は雄花のみを、雌株は雌花のみを咲かせます。つまり、果実が実っているのは雌株だけ。雄株、雌株ともに蕾もあり、花も近いうちに咲きそうです。和名は木本である本種の種子が、ツルレイシ(ニガウリ、流通名:ゴーヤ)の果実が熟すと露出する、赤色の仮種皮を持った種子に似ていることから名付けられたとする説があります。

種子の断面。断面の大きさに近いくらい大きな2枚の子葉が収まっていた。

赤い仮種皮は粘りがあり、若干の青臭い香りがしました。同じニシキギ科のニシキギツルウメモドキなどは赤色の仮種皮ごと鳥に食べられて種子が運ばれ(被食散布)ますが、種子の大きさが1.5センチほどある本種はどうでしょうか。種子をナイフで切ると断面の大きさに近いくらい大きな2枚の子葉が収まっていました。

ロウバイ Chimonanthus praecox (L.) Link
花は下向きに咲きがち。花には芳香がある。
花被片のうち中心部に近い内層片は暗紫色を呈する。

展示館の外縁に植栽されています。1/15現在、蝋細工のような透明感のある黄色の花を次々に咲かせており、あたりには清々しい香りが漂っています。原産地は中国で、後水尾天皇(在位1611-1629)の時代に朝鮮半島から渡来したとされています。花は美しく、観賞用に庭などに植えられ、花材としても利用されます。南園の連絡道には、花の内側が暗紫色にならない、ソシンロウバイも同様に見ごろですのでぜひ見比べてみてください。

今週のバイカオウレン

1/15現在の開花状況です。状態のよい花が多く、観察や撮影には大変おすすめです。園地の担当者によると、1月下旬ごろには見ごろの最盛期になりそう、とのことでした。

広報・ガイド班長 西村 佳明