【2/14】見ごろの植物を更新しました

バイカオウレン(キンポウゲ科)は一部で花が散り始めましたがまだまだ盛りです。ご覧になる方はできるだけお早目にお越しください。

バイカオウレン(2/13撮影)

早春の屋外はまだまだ花が少なく、さっそくブログのネタ不足に陥っております。ということで、以前に冬芽の紹介(【12/20】見ごろの植物を更新しました)をしましたが、今回も少し横道にそれて、植物観察がさらに楽しくなる「樹皮」をご紹介します。冬は落葉する種も多く、樹皮で大まかにでも見分けができるようになると植物への理解が深まります。ぜひ個性豊かな樹皮にも注目してみてください。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

バイカオウレン(キンポウゲ科)
セリバオウレン(キンポウゲ科)
サカキカズラ(キョウチクトウ科)
ユキワリイチゲ(キンポウゲ科)
アテツマンサク(マンサク科)
マホニア・メディア ’チャリティー’(メギ科)
ヤブツバキ‘土佐有楽’(ツバキ科)

まずは、樹皮が所どころ剥がれて「鹿の子(かのこ)模様」の樹皮を持つ種類です。

鹿の子模様 ①
ヒント:和名はその樹皮の模様から
鹿の子模様 ②
ヒント:果実は薬用酒に使われます
鹿の子模様 ③
ヒント:和名から葉を船乗りのお守りにすることも

分かる種類はありましたか?

正解は左から順に①カゴノキ(クスノキ科)、②カリン(バラ科)、③ナギ(マキ科)です。カゴノキはこんこん山広場に、カリンは薬用植物区に、ナギは連絡道や南園に植栽があります。カゴノキの樹皮は街路樹に用いるモミジバスズカケノキに時に似ますが、モミジバスズカケノキは落葉性、カゴノキは常緑高木で関東以西の暖地に自生し、照葉樹林を構成する種の一つです。

続いて、トゲのある種類です。次も比較的見分けがつきやすいですが、いかがでしょう。

トゲトゲ ①
ヒント:近縁種にピリリとしびれる香辛料となるものがある
トゲトゲ ②
ヒント:果皮(さや)にサポニンを含み、石鹸の代用に
トゲトゲ ③
ヒント:新芽は天ぷらにすると絶品です

分かる種類はありましたか?

正解は左から順に①カラスザンショウ(ミカン科)、②サイカチ(マメ科)、③タラノキ(ウコギ科)です。カラスザンショウはこんこん山広場に自生株が、サイカチは薬用植物区に、タラノキはふむふむ広場に植栽があります。3種とも明るい環境を好む種で、特にカラスザンショウやタラノキは先駆的な性質が強く、土砂崩れや伐採などで地表に光が届くようになると土の中で眠っていた種子が発芽、素早く定着します。

最後は難問、縦に深く割れる樹皮を持つ種類です。下記、私はヒントなしに見分けられません。

縦に割れる ①
ヒント:秋の園内で黄色の丸い果実をたわわに実らせる
縦に割れる ②
ヒント:クルミ科だが、果実はトゲトゲした堅果で食べられない
縦に割れる ③
ヒント:材は薪炭やシイタケの原木栽培に用いる

ヒントなしでは難しいと思います。

正解は左から順に①マルバチシャノキ(ムラサキ科)、②ノグルミ(クルミ科)、③コナラ(ブナ科)です。こうしてみると、今回ご紹介した植物のうちマークがついた種はマルバチシャノキのみでした。見ごろの植物データベースにはまだまだ樹木の掲載が少ないので、引き続き登録を進めていきます。

※樹皮の形態は樹齢や生育環境で大きく変わる場合があり、紹介したものと同じ種類であっても写真と様子が異なる場合があります※

広報課ガイド担当 西村佳明

マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。

今週の見ごろの植物

ムクロジ(ムクロジ科)
ヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
ヤブツバキ‘土佐有楽’(ツバキ科)
マレーフトモモ(フトモモ科)
マホニア・メディア ’チャリティー’(メギ科)
ヒメコブシ(モクレン科)
タイキンギク(キク科)
セリバオウレン(キンポウゲ科)
シロバナヤブツバキ(ツバキ科)
シナマンサク(マンサク科)
サカキカズラ(キョウチクトウ科)
コヒガンザクラ‘十月桜’(バラ科)
コショウノキ(ジンチョウゲ科)
カンツバキ’勘次郎’(ツバキ科)
カイドウツバキ(ツバキ科)
アテツマンサク(マンサク科)

今週の見ごろマップ

「見ごろ植物マップ&フォト」過去1年分もダウンロードできます。「見ごろカレンダー」のページで確認してみてください

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