【2/7】見ごろの植物を更新しました

立春を過ぎましたが、ここにきて今シーズン一番の寒波が列島を覆っています。ここ南国高知も最低気温が氷点下となる日が続き、園内も春の移ろいは足踏み状態です。その分、今年のバイカオウレン(キンポウゲ科)はまだまだ盛りで楽しめます。

それではガイドが園内をくまなく歩き、調べた見ごろの植物をお届けします。

今週の見ごろの植物

毎週、園内を巡回しておとどけします。

バイカオウレン(キンポウゲ科)
セリバオウレン(キンポウゲ科)
サカキカズラ(キョウチクトウ科)
ユキワリイチゲ(キンポウゲ科)
アテツマンサク(マンサク科)
ヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
ヤブツバキ‘土佐有楽’(ツバキ科)

この週末も氷点下が予想されていますが、そんな冷え込んだ朝限定の「寒さと植物が織りなす自然の芸術」をご紹介します。

南園のシモバシラの霜柱(2/6撮影)
土佐の植物生態園のタニジャコウソウの霜柱(2/7撮影)

土佐の植物生態園や連絡道、南園に植栽されているシモバシラ(シソ科)。氷点下の朝は、枯れた茎の根元に注目してみてください。運が良ければ、和名の由来であるリボン状に発達した霜柱がご覧いただけます。本種は冬になると地上部を枯らしますが、根は生きていて水を吸い上げます。その水分が凍って茎を裂き、美しい「氷の花」を咲かせます。この現象はシモバシラ以外にも、同じくシソ科のタニジャコウソウやオオマルバノテンニンソウなどにも見られます。日が当たると溶けてしまうので、朝9時の開園に合わせて来園されることをおすすめします。

本館のウッドデッキ中央にある柵では、サカキカズラ(キョウチクトウ科)の果実が割れはじめ、冠毛がついた愛らしい種子を飛ばし始めました。

サカキカズラの果実(2/7撮影)
サカキカズラの種子には大きな冠毛があり、風に乗って遠くまで運ばれる(2/7撮影)

本種は林内に生え、ほかの樹木にツルを這わせながら上へ上へと伸びていき、高い位置に淡黄色の花を多数咲かせます。その後半年以上かけて果実がゆっくり成長し、寒いこの時期に割れて種子を飛ばします。種子には大きな冠毛があり、高い位置から風に乗って遠くまで運ばれます。自然下では目線の高さで果実や種子を見る機会はそうそうないので、ぜひこの機会にご覧ください。その際は他にも観察を楽しみにしているお客様がいますので、果実をそっと触る程度にし、手で割れ目を広げたり、種子を取り出したりはしないでくださいね。

土佐の植物生態園と南園のお馬路を下った先ではユキワリイチゲ(キンポウゲ科)が咲きはじめました。花は日に当たると開くので、晴れた日の日中に観察することをおすすめします。芝生広場を下りたところの群落や、南園の東屋周辺は開花が遅れており、まだまだ掛かりそうです。牧野博士は本種をバイカオウレン、セントウソウとともに春を知らせる、故郷を懐かしむ思い出の植物と記し、佐川からわざわざ取り寄せ、練馬区の自邸に植えて楽しまれていました。これから花数も増えていくので、別の機会にもう一度紹介したい植物です。

広報課ガイド担当 西村佳明

マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。

今週の見ごろの植物

ムクロジ(ムクロジ科)
ヤマウグイスカグラ(スイカズラ科)
ヤブツバキ‘土佐有楽’(ツバキ科)
マレーフトモモ(フトモモ科)
マホニア・メディア ’チャリティー’(メギ科)
ヒメコブシ(モクレン科)
タイキンギク(キク科)
セリバオウレン(キンポウゲ科)
シロバナヤブツバキ(ツバキ科)
シナマンサク(マンサク科)
サカキカズラ(キョウチクトウ科)
コヒガンザクラ‘十月桜’(バラ科)
コショウノキ(ジンチョウゲ科)
カンツバキ’勘次郎’(ツバキ科)
カイドウツバキ(ツバキ科)
アテツマンサク(マンサク科)

今週の見ごろマップ

「見ごろ植物マップ&フォト」過去1年分もダウンロードできます。「見ごろカレンダー」のページで確認してみてください

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