【4/11】見ごろの植物を更新しました
再来週の4/24(木)はマキノの日!
マキノの日は文久2年4月24日に生まれた牧野博士の誕生日を記念し当園が毎年開催するイベントで、なんと無料で入園いただけるスペシャルな日です。この日は【マキノの日スペシャルツアー】と題し、「A.園内植物観察ツアー」、「B.牧野文庫見学ツアー」、「C.標本庫見学ツアー」、「D.植物研究交流センター体験ツアー」のこの日限定の特別な4つのツアーをご用意。私、西村も、園内植物観察ツアーのガイド担当の一人として参加します。※事前申込による抽選予約制です。牧野植物園ホームページにて参加希望ツアーの応募フォームに必要事項を入力のうえお申し込みください(応募締め切り4月16日(水)17時まで)。
詳しくはこちらをご確認ください【マキノの日】
それでは、今週も園内をくまなく歩いて調査した見ごろの植物をご紹介いたします。
見ごろの状況
サクラの仲間(バラ科)…★★★ サトザクラ‘鬱金’や
サトザクラ‘駿河台匂’など晩生のサクラの仲間が見ごろです。
ツツジの仲間(バラ科)…★★★ フジツツジ や
サクラツツジ、
トサノミツバツツジなどが見ごろです。
モモ(バラ科)…★★★ モモ‘源平’は咲き始め。モモ‘残雪枝垂’ は見ごろです。
ヒスイカズラ(マメ科)…★★★ つぼみが減り見ごろも終盤に差し掛かってきました。

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
今週はサクラの仲間に注目してご紹介します。
園内ではサトザクラの仲間が見ごろに入りました。サトザクラの仲間は、オオシマザクラを基にヤマザクラやエドヒガン、カンヒザクラなど他のサクラと交配して生まれた園芸品種群で、これらが咲きはじめると園内のサクラの仲間の見ごろも終盤かなと思います。
サトザクラ’鬱金’(バラ科)


本種は北園のさくら・つつじ園と南園でご覧いただけますが、観察にはさくら・つつじ園のものをおすすめします。花は八重ですが、花色は黄緑色で葉と同化するため、咲いていても気づかれにくい‘損な’サクラです。名前の由来は花色が薬用植物であるショウガ科のウコンを使った草木染めの色に似ていることに因ります。目立たないながらもよく観察すると濁りのない淡い黄緑色にほんのりとピンクが混じったり、緑の筋が入ったりと大変美しく、ぜひ実際に足を運んでじっくり観察いただきたい花です。別名キザクラ(黄桜)ともいい、河童で有名な日本酒の製造会社の社名は創業者が本種を愛したことから名付けられたとされています。
サトザクラ‘松月’(バラ科)


本種は北園のさくら・つつじ園のそばにある芝生広場に植栽があります。東京の荒川堤で栽培されていたサトザクラの園芸品種で、花は淡紅色の八重で、花びらの縁は細かな切れ込みが入ります。枝先にまとまってお団子状に咲くために、細い枝だと重みで垂れてしまいます。豪華に見える花は中心のめしべにもご注目ください。‘松月’は写真のようにめしべが葉化(ようか:花びらやおしべ、めしべなどが葉のような姿になること)する特徴があります。サトザクラではほかにも‘普賢象’や‘関山’でもめしべの葉化が見られます。
サトザクラ‘駿河台匂’(バラ科)


本種は北園のさくら・つつじ園から階段を降りた一段下に2株植栽があります。かつて江戸の駿河台の一庭園にあったのでこの名があるとされ、花は基本的に一重ですが、一部のおしべが弁化することがあります。‘駿河台匂’の魅力は名前にあるとおり、なんといってもその花の香り。桜餅のような香りを楽しむことができます。
サトザクラ‘関山’、‘普賢象’、‘御衣黄’(バラ科)


花は桜の花の塩漬けに用いられます。

‘鬱金’よりも緑色に近い花色。
そのほか、さくら・つつじ園ではサトザクラ‘普賢象’が、南園ではサトザクラ‘関山’やサトザクラ‘御衣黄’が咲きはじめです。終盤となった園内のサクラの仲間をぜひお楽しみください。
広報課ガイド担当 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

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