【5/2】見ごろの植物を更新しました
園内では、人気のヒトツバタゴとハンカチノキ、ケシ‘一貫種’がそれぞれ見ごろとなり、多くのお客様が足を止めじっくり観察を楽しんでいらっしゃいます。日中は散策すると暑い日もあるので、念のため飲み物を持って散策をお楽しみくださいませ。それでは、今週の見ごろの植物をご紹介します。
見ごろの状況

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。



5/2現在、北園の薬用植物区と、南園の池のそばで見ごろとなっています。本種は中国、朝鮮半島北部、モンゴル、シベリア(東南部)に分布する多年草で、中国より日本に持ち込まれました。女性の姿や所作を花で形容した『立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花』にもあるとおり、その美しい花は観賞価値が高く、日本では江戸時代には盛んに品種改良が行われ、古くから親しまれてきました(古典園芸植物)。本種は薬用植物でもあり、十分に育った根を掘りあげて乾燥させたものを生薬名:芍薬(しゃくやく)と呼び、薬用にも用います。芍薬は風邪薬で有名な「葛根湯(かっこんとう)」や婦人科系でよく用いる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などに配合される大変メジャーな生薬で、国内における2022年度の年間使用量は1,865トンにもおよびます。薬用植物区に植栽されている白色の八重のシャクヤクは梵天種と呼ばれ、特に薬用によく用いられます。


.jpg)
5/2現在、結網山の少年広場からさらに階段を登った先でたくさんの花を咲かせており、こんこん山広場でもまもなく開花しそうです。本種は国内では北海道南部、本州、四国、九州の山地に分布し、花が美しいことから公園や庭に植えられます。和名の由来はえぐみのある果実に因ります。果皮に多く含まれるサポニンは天然の界面活性成分で魚毒性があり、昔は果皮をすりつぶしたものを川に流し、麻痺して浮かんだ川魚を捕ったそうです(魚毒漁)。ちなみに魚毒漁は日本では水産資源保護法で禁止されているので決して真似をしないでください。夏、本種の小枝の先端に白色のバナナのようなものができますが、これはエゴノネコアシアブラムシというアブラムシが本種の芽を吸汁することでできる虫こぶの一種です。土佐の植物生態園の池のエリアにあるエゴノキには古くなった虫こぶが今もついているので観察してみてください。



温室の出口直前にある池に植栽されています。本種は南米アマゾン川水系に分布する大型の水生植物で、大きいもので直径2mを超える、被子植物の中で世界最大級の葉を持ちます。夜間に白くてレタスくらいの大きさの花を咲かせ、開花初日は甘い香りを放ってコガネムシの仲間を呼んで受粉を促しますが、二日目には赤く色づき、香りを失ってしぼんでしまう短命な花を咲かせます。株自体も比較的短命で、日本では一年草として扱われることもある本種ですが、当園では徹底した管理と温室スタッフの愛情により8年を超える長期栽培を実現しています。株にはつぼみもあるので運が良ければみなさんも直接、花をご覧いただけるかもしれません。
夏には巨大な葉の上にお子さんを乗せることができるイベントもあるので、思い出を残してみませんか?⇒オオオニバスにのろう!(7/1予約開始・要予約、体重15kgまでのお子様限定)
広報課ガイド担当 西村 佳明
マークの植物名をクリックすると植栽場所や詳しい説明がご覧いただけます。
今週の見ごろの植物
今週の見ごろマップ

「見ごろ植物マップ&フォト」過去1年分もダウンロードできます。「見ごろカレンダー」のページで確認してみてください
→ここをクリック