ハンカチノキ(ヌマミズキ科)が咲きました(4/17更新)

今週の見ごろの植物
What’s in Bloom

毎週、園内を巡回しておとどけします。
ハンカチノキ(ヌマミズキ科)


4/24現在、芝生広場から降りる階段のところで見ごろとなっており、見上げると和名の由来である2枚の大きな白い苞を観察いただけます。中国南西部の標高2000mほどの高山にだけ分布する落葉高木で、ジャイアントパンダを発見したことで有名なフランス人神父アルマン・ダヴィッドが本種を発見しています。望遠鏡で観察するかズームレンズで撮影すると、花の細かな構造を見ることができます。
中央にある丸い部分は多数の雄花と、緑色の「でべそ」のような一つの雌花からなる花序(花の集まり)で、花弁はなく、代わりに大きな白い苞が花の位置を虫に知らせます。白いハンカチをぶら下げたかのようなその姿をぜひご覧ください。
サカキカズラ(キョウチクトウ科)

本館のウッドデッキでつるを柵に絡ませて花を咲かせています。本種は本州(千葉県以西)・四国・九州・琉球、台湾、中国(南部)、インドシナに分布するつる性の常緑低木で、暖地の林内に生育します。つるをほかの木々に絡ませながら上へ上へと伸びていき、林冠(林の天辺)で花を咲かせます。


花は甘い芳香があるので、ぜひ顔を近づけて香りもお楽しみください。よくチョウ類が訪花し、撮影時(4/24)は雨でしたが、アオバセセリが盛んに吸蜜していました。
ナベワリと
シコクナベワリ(ビャクブ科)


4/24現在、両種とも土佐の植物生態園で見ごろとなっています。
ナベワリは本州(関東地方以西)・四国・九州の林床に生える多年草です。花は下向きに垂れ下がって咲くので、撮影するためには寝そべるようにカメラを向けないと難しいかもしれません。和名は、葉が有毒で舐めると舌が割れるという言い伝えから「舐め割り」で、それががなまってナベワリになったとされています。

近縁の
シコクナベワリとの違いは花の4枚の花被片の違いを見るとわかりやすく、ナベワリは1枚が特に大きく非対称ですが、シコクナベワリは4枚ともだいたい同じ大きさと形をしています。見づらいですが、ぜひその違いを観察してみてください。
ケシ(ケシ科)


4/24現在、連絡道で見ごろとなっています。もともとは地中海東部沿岸地方に分布していたとされる大型の1年草で、四大文明がおこった頃にはすでに薬用植物として栽培されていたとされています。花弁が落ちた後の未熟な果実に傷をつけるとにじみ出る乳液を集めて乾燥させたものがアヘンで、死ぬまで依存する凄惨なアヘン中毒者を生んだ悲しい歴史があります。一方、終末期のがん患者の鎮痛薬として医療用に用いられるモルヒネはケシを原料に製造されており、まさに「毒にも薬にも」なる植物です。
当園のケシは‘一貫種’とよばれる一重の白い花を咲かせるケシの栽培品種で、大正時代の中頃までに日本で作出されました。一反(300坪)の畑から一貫目(3.75kg)の生アヘンがとれるとされています。
日本ではあへん法により本種の栽培は厳しく規制されており、厚生労働大臣の許可なく栽培することはできません。一般公開している植物園は当園と東京都薬用植物園のみですので、貴重なこの機会にぜひご覧ください。
オニツクバネウツギ(スイカズラ科)


土佐の植物生態園と、芝生広場から階段を下りた先に植栽があり、4/24現在、コツクバネウツギの変種で、母種と比較すると本種は全体に白い開出毛が密生します。高知県と愛媛県の一部にのみ自生し、環境省レッドリスト(2020)と高知県レッドデータブック(2022)では絶滅危惧ⅠA類 (CR)に指定される希少種です。葉を優しく触ってみてください。密生した毛がまるでビロードを触っているかのような手触りです。
バニラ・プラニフォリア(ラン科)


温室でご覧いただけます。4/24現在、鉢植えのものが黄緑色の花を咲かせています。花は早朝に咲いて夜には萎む一日花で、たくさんの蕾も控えています。本種は西インド諸島やメキシコ南部の湿った森林に自生するつる性の着生ランで、節から気根を出して樹木などにからみついて生育します。果実を発酵させたものはバニラビーンズとよばれ、アイスクリームやシュークリームなどの食品や香水などの香りづけに用いられます(クリームに入っている黒い小さな粒がバニラの種子)。自生地では蜂の一種が媒介しますがなかなか結実しにくく、栽培農家は一つずつ人工授粉を行っているそうです。
広報課 西村佳明

